「それでどうするの? コイツらヤっちゃう?」
「やや、ヤっちゃうって何を……?」
宇賀神さんは、その綺麗な顔に似合わない言葉で、私に問いかける。
「そりゃあ、口にするだけで警察が来そうな事、かな」
物騒なことを言いながら、チラリとチンピラを見る目はとても蠱惑的で。
視線を向けられたチンピラたちは、顔を赤くしたり青くしたりと、とても忙しない。
「知らなかったとはいえ、ひなちゃんにちょっかいかけたコイツらを無事に返したら、俺たちが”魔王”に半殺しにされてしまうしね」
「えっ! そんな……っ! どうしよう……っ」
できれば穏便に終わらしたかったけれど、もし今回声を掛けられたのが私たちじゃなかったら……と考えると、それ相応の罰は必要かも、と思う。
「もう二度と人に迷惑をかけないように躾けちゃってください! 私はこういう時の流儀とか知らないので、方法は宇賀神さんたちにお任せしたいです!」
私は思い切って宇賀神さんにお願いした。”躾け”の意味は人それぞれだし、宇賀神さんならうまく処理してくれるんじゃないかなーなんて。要は丸投げだ。