「大丈夫だから、ちょっと我慢してね」
私はみんなを安心させようとにっこりと笑顔を作った。
「どこに連れて行ってくれるのかなぁ? イイところかなぁ〜〜?」
「へへっ、楽しみだなぁ。早く着かねぇかな」
「オレ、よく考えたら女の子に誘われるの初めてだ! めちゃ嬉しい!」
「俺も俺も! しかも全員可愛いし、選べないよなぁ〜〜」
チンピラたちが下卑た笑いを浮かべながら付いてくる。周りから見たら異様な光景だろうな、と思う。
「そろそろかな……」
大きいビルが立ち並ぶ中、少し開けた場所に着いた私は、ポツリと呟いた。
「んん〜〜? 何々〜〜? もうすぐで着くのぉ?」
「もしかしてここがそう? ホテルじゃねぇの?」
ニヤニヤと笑うチンピラたちに構わず、私は周りをキョロキョロと見渡した。
「ひ、ひなっ! どうしたの? ここに何かあるの?」
「ここあんまり人おらへんし、危ないんとちゃうん?」
「あ、不安にさせてごめんね? せっかくだから、二人に紹介しようかなぁって」