「ゔ〜〜。喉ガラガラや〜〜」

「……私も。ちょっと調子に乗っちゃったなぁ……」

 時間いっぱいまで熱唱してた玲緒奈ちゃんと優希ちゃんは、歌いすぎで喉を痛めたようだ。

 ……まあ、あれだけデスボイスを出してたら当然そうなるのだけれど。

「じゃあ、何かスイーツでも食べに行く? 甘いものなら喉に優しそうじゃない?」

 大人しめの曲しか歌っていない楓怜ちゃんは平気そう。みんなを気遣う余裕まである。

「スイーツいいね! この辺の店探してみる!」

「スイーツか〜〜。それやったらしっとり系がええな〜〜」

 優希ちゃんがスマホで検索してくれて、評判が良い店を見つけてくれた。

「どれも美味しそうだし、個室もあるんだって! そこならいっぱいお話し出来そう!」

「ええやん! 周り気にせず話せるのはええなー」

 みんなでその店に行こう、と決まった時、背後から声をかけられた。

「おっ! 可愛い子たちはっけーん!」

「え?」

 知らない声に振り向くと、柄が悪そうな如何にもチンピラ、という風体の男の人たちがいた。