「〜〜♪ どっすんドコドコどどんがどん! 会いたくて痺れるTONIGHT〜♪」

 玲緒奈ちゃんが熱唱する横で、私はタンバリンを一生懸命ジャカジャカと振り鳴らす。

「ギャハハ! 意味わかんねー歌!」

「歌唱力の無駄遣いだね」

 優希ちゃんと楓怜ちゃんも手拍子しながら笑い転げてる。
 玲緒奈ちゃんは歌がとても上手なのに、何処から見つけてくるのか変な歌ばかり歌う。そのギャップが面白くて、カラオケに行くといつも盛り上がるのだ。

 そうして三人が一通り歌い終わると、流石に疲れたのか休憩を挟むことになった。

「ひなは今日も歌わないの? 歌ったら楽しいよ?」

「いやいや、私すっごい音痴だし! ジャ○アンリサイタルになっちゃう! それにみんなの歌を聞いてる方が楽しいし!」

 私は今まで何度もカラオケに来ているけれど、人前で歌ったことは一度もない。

「そうなん? ひなの声めっちゃ可愛いから、歌うの聞いてみたいのに」

「えっ、そ、そうかな……? でも”ボエー”ってなっちゃうと思う」

「それ逆に聞いてみたい! 歌って歌って!」

「え、ええっと……っ!」