上杉さんの表情に、少しでも迷惑そうな色が見えたら、ボランティアをやめようとさえ思って。

「上杉さん」
「ん?」
 私は、周囲に人がいないのを確認すると、
「あの、私…上杉さんのことが好きなんです。こうして、ただ図書館で話すだけでは、もう苦しくて…」

 かなり直球だったと思う。
 そもそも、大人同士ならば、デートすらしたこともないのに、こんな風にいきなり告白なんてしないはず。

 まるで中高生…それも頭では判っていた。
 それでも、心は止められなかったから。

 上杉さんは、かなり驚いた様子ではあったが、
「瑤ちゃん、こんなオジサンでいいの?」
 静かにそう尋ねてきた。
「上杉さんは、オジサンじゃありません!格好良いし、知的で優しいし…。私、同年代の男の子には、全然興味がないんです」
「そっか…ありがとう。嬉しいな!」