「でもね、リゼット。マニフィカ公爵様の気持ちはずっと貴女にあったのよ。だから貴女を片時も離さなかった。故に、奥方様の怒りに触れてしまったの」
「僕も聞いたことがあります。お祖父様がお祖母様に求めたのは、力と子を成すことだけだったと。それが済んだから、見向きもされなかった、と言っていました。父さんたち子どもも、例外ではなかったらしくて」
「っ! つまり、私のせいでユベールのお父様もお祖母様も、不幸になってしまった……ということですよね、サビーナ先生!」
「……否定しないわ。けれど私は同情もしない」
「え?」

 どうしてですか? と尋ねる前に、私を掴むユベールの手が強くなったのを感じた。