「いえ、お二人共、悪いです。渋るサビーナ先生も、それを邪魔するユベールも。静かに話を聞きたいので無理でしたら、ユベール。貴方が出て行ってもらえますか?」
「リゼットっ!」

 本当はこんなことを言いたくはないのだけれど、ここは心を鬼にして言うしかなかった。

「ごめん。もう、余計なことを言わないから」
「あと、サビーナ先生もです。ユベールに構わず話を進めてください」
「分かったわ。まさかリゼットに怒られるなんてね。これはこれでいい傾向だわ。ちゃんとはっきり物が言えるようになったんだもの」

 それはユベールのお陰、と言いそうになり、口を(つぐ)んだ。さっき言ったことを自ら破るわけにはいかないからだ。

 私は静かにサビーナ先生の言葉を待った。

「だから私も、覚悟を決めないとね。リゼットは魔女という存在を信じる?」