「これはポピーですか?」

 しかもオレンジや赤、白、ピンクといった色とりどりのポピーがベッドを飾っていた。

「うん。苦しそうに魘されていたから、ポピーを」
「花言葉はそれぞれ、オレンジは「思いやり」赤は「慰め」白は「眠り」ピンクは「いたわり」というのよ。貴方が眠っている間、街で探し回って、ようやく揃えたのに、全く気づいてもらえなかったら、誰だって拗ねると思わない?」
「私のためにここまで? ありがとうございます」

 けれどユベールは、まだ不満そうな顔だった。

「もう一つ」
「もう一つ?」
「うん。折角だから、パジャマもポピー柄にしてみたんだ」
「えっ!」

 ということは、また着替えさせられたの? ユベールに。