「最後にサビーナ先生と会った時に、いただいたんでしょうか」
「えぇ、そうよ。やはり肝心な部分は抜け落ちているようね」
サビーナ先生はそう言うと、私の目の前で人差し指を、クルッと回してみせた。すると、日に焼けたような黄土色の紙が現れ、ヒラリとテーブルの上へ。
風で飛ばされないように、と私は手を伸ばした。途端、脳に直接入ってくる言葉たち。それも、ヴィクトル様の声で。
『婚約破棄を言い渡したのは、リゼットを責務から解放したかっただけなんだ』
『これだけは分かってほしい』
『私がリゼットを愛していることを』
『リゼットには生きていてほしい。どんな形でも……』
『こんな情けない私を、嫌っても構わないから』
「あ、あ、あ、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
壊れそうになるほどの痛みと、流れてくるヴィクトル様の想いに、私はどうにかなってしまいそうになった。
「えぇ、そうよ。やはり肝心な部分は抜け落ちているようね」
サビーナ先生はそう言うと、私の目の前で人差し指を、クルッと回してみせた。すると、日に焼けたような黄土色の紙が現れ、ヒラリとテーブルの上へ。
風で飛ばされないように、と私は手を伸ばした。途端、脳に直接入ってくる言葉たち。それも、ヴィクトル様の声で。
『婚約破棄を言い渡したのは、リゼットを責務から解放したかっただけなんだ』
『これだけは分かってほしい』
『私がリゼットを愛していることを』
『リゼットには生きていてほしい。どんな形でも……』
『こんな情けない私を、嫌っても構わないから』
「あ、あ、あ、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
壊れそうになるほどの痛みと、流れてくるヴィクトル様の想いに、私はどうにかなってしまいそうになった。