「あぁ、僕としたことが、ドレスを作るよりも大事な物を作り忘れるなんて」
「……そう、ですね。さすがにドレスで寝るのは……」

 皺になる。寝返りを打てるわけではないけれど、布団の中に入るのは私だけではないのだ。

「とりあえず今日はこのまま。最悪、皺になっても後で取ればいいんだからね」
「いいんですか?」
「うん。ようやく僕一人じゃなくなったんだもん。一緒に寝たいよ」

 素直なユベールの言葉に、頬が緩んだ。

「では明日、パジャマを早々にお願いしますね」
「任せて。可愛いのを作ってあげるよ」
「期待しています」

 その翌日、ユベールは宣言通り、白いレースの付いたピンク色のパジャマを作ってくれた。着る時にまた、いざこざがあったのは言うまでもない。