「最低です」
「ごめん」
「最低です」
「だから、ごめんって」

 私が意識を取り戻したのは、それから五時間後のこと。ユベールはその間に、私を洗っただけでなく、寸法を測り、挙句の果て、新しいドレスを作ったのだ。

 これが許せるとでも言うの……!

「悪かったって。でも、あぁでもしないと、リゼットは正確な寸法を測らせてくれないだろう?」
「そもそも正確である必要はありません!」

 服の上からだって十分できる!

「ぶかぶかの服ならともかく、キツかったらリゼットだって困るだろう?」
「それは……そうですが……」
「一応、僕は人形たちの服作りで食べていっているんだ。それなのに、家にある人形の服が合わないなんて、カッコ悪いじゃないか」

 つまり、職人としてのプライドが許さない、ということらしい。