両手を重ね、胸元にある赤い宝石を包み込む。そっと魔力を込めると、手の隙間から赤い光が漏れた。
「やっぱり魔石です、この石は。私の魔力に反応しますので」
「魔力……そうか。僕は残念ながら、これっぽっちも魔力がないから、ただの宝石にしか見えなかったんだ。あぁ、そんなことなら、もっと高く売れば良かったな」
先ほど資金源と言っていたことから、容易に想像がついた。
手がかりも宛もない。情報すらあるとは思えない中、私を探すのは難しいこと。
いくらそれを生きる目的にしたとしても、ユベールは子どもだ。貴族……でもなさそうだし、両親もいない。
生計を立てることすら困難のように思えた。
「他にはないんですか? その方から貰った宝石は。私なら魔石かどうか判別できると思います」
「それが……リゼットに付けた宝石、じゃなかった魔石が最後なんだ」
「えっ!? で、では、これからどうやって生活していくんですか? 私のことは気にせず、これを売って足しにしてください」
私は胸元の魔石に手をかけた。が、すぐに両手を取られてしまう。
「やっぱり魔石です、この石は。私の魔力に反応しますので」
「魔力……そうか。僕は残念ながら、これっぽっちも魔力がないから、ただの宝石にしか見えなかったんだ。あぁ、そんなことなら、もっと高く売れば良かったな」
先ほど資金源と言っていたことから、容易に想像がついた。
手がかりも宛もない。情報すらあるとは思えない中、私を探すのは難しいこと。
いくらそれを生きる目的にしたとしても、ユベールは子どもだ。貴族……でもなさそうだし、両親もいない。
生計を立てることすら困難のように思えた。
「他にはないんですか? その方から貰った宝石は。私なら魔石かどうか判別できると思います」
「それが……リゼットに付けた宝石、じゃなかった魔石が最後なんだ」
「えっ!? で、では、これからどうやって生活していくんですか? 私のことは気にせず、これを売って足しにしてください」
私は胸元の魔石に手をかけた。が、すぐに両手を取られてしまう。