「でも、タイミングが良すぎない? サビーナ先生なら、そういうこともあり得そうな話だけど」
「……実は、これには仕掛けがあって」
「えっ! 火事が!?」
「ち、違うよ! しかもそっちは事故だから! 僕も被害者の一人なんだから勘違いしないで!」
「ごめんなさい」
私の最後の記憶には、しっかりとユベールの悲鳴が残っていた。
ユベールの姿が見えないくらい、勢いよく燃え盛る炎。二つの悲鳴。
思い出しただけでも恐ろしかった。
すると、ユベールが慌てて私の傍に寄る。
「いいんだよ。僕の方こそ、ごめん。いきなり大きな声を出して。……実はリゼットに何かあった時のためにってサビーナさんからこれを預かっていたんだ」
ユベールは私にも見えやすいように、首にかけていたネックレスを外し、手のひらに乗せた。私の瞳の色と同じ、赤い石が付いたネックレスを。しかし、よく見ると……。
「これって魔石じゃない。ユベールは確か、魔力がないって言っていなかった?」
「うん。だからこの魔石は、リゼットの魔力に反応する仕掛けになっているんだ。もしも力を暴走させた時とか、人間に戻った時を想定して。特にリゼットは魔力量が多いから、サビーナさんでも止められるかどうかって危惧していたんだよ」
「そう、だったの。……だからそのネックレスが反応したから、サビーナ先生がやって来てくれたのね」
そこまで心配してくれていたなんて……。
「……実は、これには仕掛けがあって」
「えっ! 火事が!?」
「ち、違うよ! しかもそっちは事故だから! 僕も被害者の一人なんだから勘違いしないで!」
「ごめんなさい」
私の最後の記憶には、しっかりとユベールの悲鳴が残っていた。
ユベールの姿が見えないくらい、勢いよく燃え盛る炎。二つの悲鳴。
思い出しただけでも恐ろしかった。
すると、ユベールが慌てて私の傍に寄る。
「いいんだよ。僕の方こそ、ごめん。いきなり大きな声を出して。……実はリゼットに何かあった時のためにってサビーナさんからこれを預かっていたんだ」
ユベールは私にも見えやすいように、首にかけていたネックレスを外し、手のひらに乗せた。私の瞳の色と同じ、赤い石が付いたネックレスを。しかし、よく見ると……。
「これって魔石じゃない。ユベールは確か、魔力がないって言っていなかった?」
「うん。だからこの魔石は、リゼットの魔力に反応する仕掛けになっているんだ。もしも力を暴走させた時とか、人間に戻った時を想定して。特にリゼットは魔力量が多いから、サビーナさんでも止められるかどうかって危惧していたんだよ」
「そう、だったの。……だからそのネックレスが反応したから、サビーナ先生がやって来てくれたのね」
そこまで心配してくれていたなんて……。