「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇ! 私があの炎を消したの!?」

 全く身に覚えのない話に、私はただただ驚くだけだった。

 だって、何度も水魔法をぶつけても、炎の勢いは止められなかったからだ。それをどうやって消したのか。憶えていないのだから、当然だった。

 しかしベッドの傍にある椅子に座り直したユベールは、私の反応を想定していたらしい。呆れたり、驚いたりしている様子は一切なかった。苦笑はしていたけれど。
 あと、何故かその後、照れている。何で?

「僕も意識が朦朧と、いやほとんどなかったから、そこについては説明できないんだけど、駆けつけてくれたサビーナさんが言うには、そうらしいんだ」
「サビーナ先生が!? 今、どこにいるの?」

 すると、急に不機嫌になるユベール。話題に出したのはそっちなのに。

「事後処理」
「あっ、火事の……」

 ユベールがここにいる、ということは誰かが対応してくれているのだ。
 何せ私たちは未成年。保護者がいないのだ。だからサビーナ先生がその役目をしてくれているらしい。