作業台の上に乗せた、二つの荷物を交互に見る。一つはブリットさんから受け取った荷物。もう一つはシビルからの、だ。
「どっちから手をつけるか」
それが悩ましいところだった。ブリットさんからの注文を先にやるのはいい。が、本音としてはシビルの依頼を先にやってしまいたかった。
理由は簡単だ。さっさとその品物を渡して縁を切りたい。ただそれだけだった。
そもそもシビルとは、ラシンナ商会へ荷物を届け、さらに注文を取ってくる、というお使いをしていた時に出入りしていた店の一つだった。
行く度に、小物入れが壊れたと泣いていたシビル。年は僕と変わらないのに、幼くて。感情の制御ができないのか、店で働く従業員さんの手さえ煩わせていた。
けれど、失ったものへの悲しみは理解できたから、僕はシビルの小物入れを直した。
そうすればシビルの機嫌も良くなるし、従業員さんやご主人、女将さんの印象も良くなる。汚い、と思われるかもしれないが、打算的な想いが含んでいた。
実際、それが功を奏したのか、ブリットさんのお店を紹介してもらい、今の仕事にありつけたんだけど……まさか、余計なオマケがついてくるとは、その時は思わなかった。
「どっちから手をつけるか」
それが悩ましいところだった。ブリットさんからの注文を先にやるのはいい。が、本音としてはシビルの依頼を先にやってしまいたかった。
理由は簡単だ。さっさとその品物を渡して縁を切りたい。ただそれだけだった。
そもそもシビルとは、ラシンナ商会へ荷物を届け、さらに注文を取ってくる、というお使いをしていた時に出入りしていた店の一つだった。
行く度に、小物入れが壊れたと泣いていたシビル。年は僕と変わらないのに、幼くて。感情の制御ができないのか、店で働く従業員さんの手さえ煩わせていた。
けれど、失ったものへの悲しみは理解できたから、僕はシビルの小物入れを直した。
そうすればシビルの機嫌も良くなるし、従業員さんやご主人、女将さんの印象も良くなる。汚い、と思われるかもしれないが、打算的な想いが含んでいた。
実際、それが功を奏したのか、ブリットさんのお店を紹介してもらい、今の仕事にありつけたんだけど……まさか、余計なオマケがついてくるとは、その時は思わなかった。