そう、魔法による遠距離攻撃。背の高い草で姿も見えないから、相手を傷つけなくても、脅しくらいにはなる。
「……このくらい離れていれば大丈夫かな」
窓から直線距離で離れ、さらに右折をして、玄関の方へと回る。本来ならば、家の外観をゆっくり見ておきたかったんだけど、今はそんな余裕はない。
何故ならば、思った以上に草が成長し過ぎでいたからだ。
相手を確認したくても、よく見えない。仕方が無しに私は風魔法を使って体を浮かせた。するとほんの少しだけ、周りの草が私を避ける。
普段は見えないけれど、これも風魔法の影響なのだろう。不自然な音より、こちらの方がまだいいのかもしれなかった。
私はそんな草の下から少しだけ顔を出す。すると、長い赤毛を高く結った、水色のワンピースを着た人物が目に入った。背丈はユベールくらいだろうか。
しかもその人物は、中を窺っているわけではなかった。家の外壁に何かを塗っている。
あれは……何? というよりも、気味が悪い。
さらに木の棒のような物を取り出して……。
「まさか火を!」
「……このくらい離れていれば大丈夫かな」
窓から直線距離で離れ、さらに右折をして、玄関の方へと回る。本来ならば、家の外観をゆっくり見ておきたかったんだけど、今はそんな余裕はない。
何故ならば、思った以上に草が成長し過ぎでいたからだ。
相手を確認したくても、よく見えない。仕方が無しに私は風魔法を使って体を浮かせた。するとほんの少しだけ、周りの草が私を避ける。
普段は見えないけれど、これも風魔法の影響なのだろう。不自然な音より、こちらの方がまだいいのかもしれなかった。
私はそんな草の下から少しだけ顔を出す。すると、長い赤毛を高く結った、水色のワンピースを着た人物が目に入った。背丈はユベールくらいだろうか。
しかもその人物は、中を窺っているわけではなかった。家の外壁に何かを塗っている。
あれは……何? というよりも、気味が悪い。
さらに木の棒のような物を取り出して……。
「まさか火を!」