二度目となる外出も、ワクワクよりドキドキの方が勝っていた。それは鞄の中から外を眺められないからだろう。私は未だ、自分の住んでいる家の外観も見たことがないのだ。
だから、街までの道のりも風景も分からない。それが緊張と不安を増やす要因となっている。
とはいえ、十五歳の少年が人形を持って街中を歩くのは……ちょっと。いくらユベールが人形の服などを作っていても、だ。
考えただけでもゾッとしてしまう。
自分のせいでユベールを、そんな偏見の目で見られるような人にしたくない。絶対に。
だから我慢しないと。
「リゼット。少し騒がしくなるけど、驚かないでね。今から商店街に入るから」
私は一度目の外出と同じように、内側から鞄をトン、と叩いた。前回の教訓として、はいは一回。いいえは二回、と予め決めておいたのだ。
しばらくすると、ユベールが言った通り、人のざわめき声が聞こえてきた。途端、さらに緊張感が増す。
前回は朝だったことと、祭りが終わった直後だったことが重なり、人の声はあまりしなかったからだ。
思わず鞄の裏地を握り締める。すると、その反応がユベールにも伝わったのか、宥めるように軽く鞄を叩かれた。
だから、街までの道のりも風景も分からない。それが緊張と不安を増やす要因となっている。
とはいえ、十五歳の少年が人形を持って街中を歩くのは……ちょっと。いくらユベールが人形の服などを作っていても、だ。
考えただけでもゾッとしてしまう。
自分のせいでユベールを、そんな偏見の目で見られるような人にしたくない。絶対に。
だから我慢しないと。
「リゼット。少し騒がしくなるけど、驚かないでね。今から商店街に入るから」
私は一度目の外出と同じように、内側から鞄をトン、と叩いた。前回の教訓として、はいは一回。いいえは二回、と予め決めておいたのだ。
しばらくすると、ユベールが言った通り、人のざわめき声が聞こえてきた。途端、さらに緊張感が増す。
前回は朝だったことと、祭りが終わった直後だったことが重なり、人の声はあまりしなかったからだ。
思わず鞄の裏地を握り締める。すると、その反応がユベールにも伝わったのか、宥めるように軽く鞄を叩かれた。