「ごめんなさい」
「リゼットにはお祖父様がいるかもしれないけど、僕にはリゼットしかいないんだ……」
「ユベール……」
まるで泣いているかのような声音に胸が締め付けられる。こんなに求められている、と分かるだけで嬉しかった。
「私は何処にも行きません。ユベールの傍にいます。だから――……」
安心してください、と言う前にユベールが横に倒れた。大きく揺れるベッド。それよりもユベールの方が心配で近づくと、規則正しい吐息を立てていた。
「そういえば色々あったから、疲れるのも当然よね。私も眠くなってきたし」
ユベールが見ていないことをいいことに、私は大きな欠伸をした。けれど、まだ寝るわけにはいかない。
私は風魔法で自身を浮き上がらせると、掛け布団の端を掴んだ。
「お、重いっ!」
それでもこのまま寝ては風邪を引いてしまう。
私は持ち上げるのを諦めて、引きずるように掛け布団をユベールの上にかけた。あとはもう、ユベールと掛け布団の間にできた、僅かな隙間に滑り込む。
「おやすみなさい」
一仕事を終えた私はご褒美とばかりに、ユベールに寄り添いながら眠りについた。
「リゼットにはお祖父様がいるかもしれないけど、僕にはリゼットしかいないんだ……」
「ユベール……」
まるで泣いているかのような声音に胸が締め付けられる。こんなに求められている、と分かるだけで嬉しかった。
「私は何処にも行きません。ユベールの傍にいます。だから――……」
安心してください、と言う前にユベールが横に倒れた。大きく揺れるベッド。それよりもユベールの方が心配で近づくと、規則正しい吐息を立てていた。
「そういえば色々あったから、疲れるのも当然よね。私も眠くなってきたし」
ユベールが見ていないことをいいことに、私は大きな欠伸をした。けれど、まだ寝るわけにはいかない。
私は風魔法で自身を浮き上がらせると、掛け布団の端を掴んだ。
「お、重いっ!」
それでもこのまま寝ては風邪を引いてしまう。
私は持ち上げるのを諦めて、引きずるように掛け布団をユベールの上にかけた。あとはもう、ユベールと掛け布団の間にできた、僅かな隙間に滑り込む。
「おやすみなさい」
一仕事を終えた私はご褒美とばかりに、ユベールに寄り添いながら眠りについた。