その日はそのまま、私はいつも通りユベールと共にベッドで寝た。
 真実を知った私が、このままユベールの傍にいていいのか迷ったけれど、今は一人で寝るのが怖い。
 それはユベールも同じだったらしく、サビーナ先生のところへ行こうとしたら止められた。

「僕に遠慮してほしくないんだ。このままサビーナさんについて行かれる方が嫌だから」
「そんなつもりは……」

 ないとは言い切れなかった。私の体を熟知しているのはサビーナ先生だし。私はユベールの家族、親戚を不幸にした張本人だから。

「やっぱり……僕は言ったよね。生きる目的のためにリゼットを探したって。それは探し出して終わりじゃないんだよ。一人になりたくないから探したんだ」
「それなら私でなくても……」

 いいんじゃない、と言いかけてハッとなった。これは失言だ。ユベールとは何でも言葉にしようと言った間柄だったから、油断した。

「リゼットは、僕じゃない誰かに面倒を見てもらう方がいいの?」
「違います」
「ここを離れる、ということはそういうことだよ。サビーナさんのところに行ったら、僕との接点だってなくなるのに……」

 私はベッドから立ち上がり、俯くユベールの頬を撫でた。今はこの距離がもどかしい。

 人間だったら、ユベールの頬を包み込める。抱きしめることだって、できるのに……!