「社長、あやかさんは村藤あやかになってくださいました、婚姻届にサインをしてくださったんです、あやかさんは社長の奥様ですよ」

「えっ」

潤一郎は信じられないと言う表情を見せた。

担当医師は「後程精密検査をいたします、では」そう言って病室を後にした。

金丸も気を利かせて「自分は一旦会社に戻ります」そう言って病室を後にした。

病室には潤一郎とあやかだけになった。

「あやか、本当か、サインしてくれたのか」

「はい」
あやかは恥ずかしそうに頷いた。

「あやか、もっと俺の側に来てくれ」

あやかは潤一郎のベッドに近づいた。

潤一郎はあやかを引き寄せ抱きしめた。

「潤一郎さん、意識が戻ってよかったです」

あやかの頬に涙がこぼれ落ちた。

「あやか」

潤一郎はあやかの頬の涙を拭った。

そして、キスを落とした。

あやかは潤一郎のキスを受け入れた。


                END