「お呼びでしょうか」

「天堂、なんで呼ばれたかわかるよな」

「いえ、わかりません」

潤一郎は大きなため息をついた。

「まず、うちの会社はバイトは禁止だ、どちらを選ぶかはお前次第だ」

「わかりました、失礼します」

そして、潤一郎は白鳥不動産に向かった。

天堂とゆかりの関係も発覚したためゆかりに釘を刺すためだった。

「あら、潤一郎さん、どうなさったの?」

「とぼけてもらっちゃ困る、はっきり言わせてもらう、俺は君とはなんの関係もない、
これ以上俺に関わらないでもらいたい」

「なんのことかしら」

「天堂と俺を潰そうと企んでいるようだが、これ以上何かをするのなら、こちらにも考えがある、よく考えることだ」

ゆかりは背筋が凍る思いがした。

(三年前は何も知らないお坊ちゃんだったのに)

潤一郎は白鳥不動産を後にした。

天堂は会社を辞めた。

ゆかりもホストクラブには行かなくなった。

それから三年の月日が流れた。

村藤コーポレーションは急成長を果たした。