潤一郎はあやかの手から水の入ったグラスを受け取った。

「あやか、ごめんな」

あやかは何も答えずキッチンに戻った。

潤一郎は一気に水を飲み干して、あやかに近づいた。

そしてあやかを後ろからギュッと抱きしめた。

「潤一郎さん?」

「酔った勢いでも、いい加減な気持ちでもない、俺はあやかが姿を消していた三年間で、
自分の弱い部分を克服したつもりだった、でもあやかを目の前にして、気持ちが大きくなった、これって酔ってるってことだよな、でも少しだけこのままあやかを抱きしめていたい」

時が止まったような時間が流れた。

(潤一郎さん、このままずっと、こうしていたい)

潤一郎はあやかを自分の方に向かせた。

じっと見つめあった。

潤一郎の顔が近づき、あやかは咄嗟に目を閉じた。

おでこに優しい温もりを感じた。

潤一郎はあやかのおでこにキスを落とした。

「あやか、ずっと俺の側にいてくれ」

あやかは潤一郎の言葉にこくりと頷いた。

次の日、潤一郎は天堂を呼び出した。