休みの前日、潤一郎はあやかにこう伝えた。

「ゆかりは友達と出かけるって断られた」

あやかは満面の笑みを浮かべた。

「あやかは俺と一緒に出掛けてくれるだろう」
「はい」

実は潤一郎はゆかりには連絡を取っていない。

この間、潤一郎のマンションへ来たことを考えると、自分の誘いに乗ってくる可能性が高いと考えた。

せっかくの休みはあやかと過ごしたいと考えていた。

潤一郎は白鳥不動産との合併を解除の方向でこの三年間動いていた。

ましてや、今は自分の側にあやかがいる。

あやかとの結婚に向けて動きはじめていたのだ。

「あやか、ここにラック置いたら便利だと思うんだけどどお?」

「そうですね、いいと思います」

「あやかの部屋は、何か家具買う」

「大丈夫です、引っ越す時、荷物少ない方が楽ですから」

「あやかは引越しさせないよ、ずっと俺の側にいてくれないと困るよ」

思いもよらない潤一郎の言葉に、あやかの頬は緩んだ。

(でも、ハウスキーパーとしてだよね)