「だ、大丈夫です、自分で食べられます」

あやかは昨日から何も食べていなかったので、食事をありがたく頂いた。

潤一郎は食べてるあやかの横でずっとニコニコしながら見ている。

「あのう、社長、私は大丈夫ですから、社長もお食事召し上がってください」

「ああ、そうだな」

潤一郎はキッチンに向かった。

しばらくすると、自分の朝食を運んで部屋に入ってきた。

(えっ、ここで食べるつもりなの)

潤一郎は椅子をベッドの傍らに置いて、食事を始めた。

「俺さあ、目玉焼きは硬い方が好きだから、硬くしちゃったけど、よかったかな」

「私はなんでも大丈夫です」

「そう？もし嫌いなものとかあったら言ってくれ」

(社長は何を言ってるの？これから同棲する恋人じゃあるまいし、私の嫌いなものは関係ないでしょ)
「あのう、私、食事を頂いたらアパートに戻ります」

「だって、一人じゃ、大変だろ？」

「でも、これ以上ご迷惑をかけるわけにはいきません」

「困った時は頼るって約束だっただろう、問題ないよ」