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本校舎から少し離れた別校舎、通称【別館】にある第3美術室。
授業のほとんどは、本校舎にある教室で行われる為、この別館へやってくる生徒はほぼいない。
そんな建物にある第3美術室だけは、毎日人の出入りがあった。
「申し訳ない、遅れてしまった」
美術室のドアを開けるのと同時に、挨拶をしたのは、轟 斗真(とどろき とうま)。
「遅いぞ、斗真。2分遅れてる」
腕時計で時間を確認し、メガネをクイッと持ち上げたのは紅 央(くれない なかば)。
「時間厳守はたるんでる証拠だ! リーダーといえど、時間に遅れることは許せんぞ!」
腕を組み、眉間にシワを寄せ険しい表情をする榊 類(さかき るい)。
「てか、先輩のズボンの裾濡れてません? 何遊んでるんですか」
異変をすぐに察知し尋ねたのは、望月 樹(もちづき たつき)。