私たちの父方の祖父母は、祖父がよそに女と子供をつくって離婚している。

両親は、離婚こそしなかったものの、浮気三昧の父親と、常にヒステリーを起こしている母親は、当然、かなりの不仲だった。

姉だけは、幸せな家庭を築いているとばかり思っていた。

送られてきたFAXを読んでいたところ、もう一枚流れてくる。

「新婚当初、私は必死で頑張った。当時、自分が発達障害だとは知らなくて、頑張りさえすれば何とかなるとなると思ってたの。寿退社したことだし、完璧な主婦でいなければいけないと思って、苦手な家事も必死でやってきた。だけど、限界がきてからは、もう何もかもダメで…。旦那を追い詰めているのも判ってる。いわゆるカサンドラ症候群。オリエに言いたかったのは、発達障害当事者の結婚は、健常者よりはるかに茨の道ってこと。どんなに愛されていてもね。私も、最初は溺愛されての結婚だったのに、今はもう…」