笑って褒めてくれて、私も少しずつ自信を取り戻した。

もっと人間関係を拡げてみようと思い、社会人サークルに参加すると、そこで新たな友人も出来て、仙台での暮らしはますます楽しくなってきた。

「オリエちゃんが楽しそうだと、僕も嬉しいよ」

私が楽しければ、夏川さんは嬉しくなり、夏川さんが嬉しければ、私はもっと嬉しくなる。

こんな幸せの連鎖を、高校時代までの私は全く知らなかった。

暖かく幸せな日々は、ゆるやかに、しかし意外と早く過ぎてゆき、いつの間に7年の付き合いになったという感じだ。

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そんなある日、珍しい人から電話がかかってきた。

親子ほど齢の離れた姉である。

腹違いではなく、同じ両親を持つ姉だが、一緒に暮らしたことはない。

私がまだ小さい頃、時々、実家に帰省した時にしか会うこともなかったので、恐らく一般的な姉妹とは少し違うと思う。