夏川さんは、これまでと何も変わらず、優しい恋人として付き合ってくれて、時には障害福祉の専門家として色々アドバイスをくれたりもした。

恋人が障害福祉の専門家だったのは、ラッキーなこととも言えるし、いい意味での諦念も覚えていった。

普通のバイトは向かないことも判ったし、大学進学もやめた。

親が、それなりの財産を遺してくれたとはいえ、決して無尽蔵にあるわけではない。

ハタチになれば、障害基礎年金を受給できるとしても、慎ましく暮らし、僅かでも稼がなければ、いつかは貯金も底を尽きる。

障害者向けの作業所は、どうも私には合わなかったので、夏川さんのコネで、有償ボランティアの仕事を始めた。

ひたすらデータ入力するだけなので、問題なくやれている。

そんな私のことを、夏川さんは、

「いつも頑張ってるね!」