いつもと同じように朝が訪れた
朝なんてなくていいのに
夏休みなんて関係なしに私は毎日学校へ行く
制服に腕を通して、音を立てないように家を出ていく
祖母が起きる前に出ることが毎日の私の朝の目標だった

学校までは電車を使い、7時半にはつく田舎の学校だから鍵もろくにかかっていないので何時からでも入れるのだ
教室では無く音楽室に行くのが私の日課だ
母が教えてくれたピアノ
ピアノを弾いている時だけが私の癒し
生徒数の割に無駄に広いこの学校で音楽室に来る生徒は私以外誰一人としていなかった
あの日までは