昭和の東京

私は、タクシーを拾い真子のいるホテルへと向かった。もう、山手線は動いていない。私はホテルのドアをノックした。真子はまだ起きていた。ドアを開けると、真子は、今までの恐怖を追い去るように、私に抱きついてきた。私は、真子をかかへて、ベッドへと
連れて行く。真子には、今日の出来事を話した。すると。眞子が質問してきた。
「妖精ミーって私なの」私はウーとうなづいてから、その質問は当たってるかもしれない。真子は夢を見るかと尋ねると、ノーと答えた。私の推測は外れた。そして、明日は、日曜日だ。会社では、私が統合失調症に襲われた所だ。統合失調症で、行動をしたのは、三日後だ。明日は。映画でも見に行こうと約束した。
翌朝、ふたりは渋谷に向かった。見た映画は、プロ野球を10倍楽しむ方法。ふたりには、今の状況は頭の中には存在しなかった。渋谷の街を手を繋いで歩いた。そして、目黒駅へと、昔、住んでた場所へ案内した。目蒲線に乗り、武蔵小山駅へと向かう。真子に、うどんとそばはどちらが好きかと尋ねると、うどんと答えた。私は、立ち食いうどん屋へ案内する。真子があっと店を前にして立ち止まった。
「龍太郎さんがいる」私もはっきり見た。もうひとりの私だ。そばを食べている。その時、その状況が蘇ってきた。真子に伝えた。
「あのそばには、汁の中に、ハエが浮いていた。私は。思考の中で、神様に試されてると思って、そっと。箸でハエを退けて、食べたんだよ。真子は笑った。そして、「なんで、、今度は、身体が吸い込まれて合体しないのだろうか」私は暫く考えてから答えた。「この、私らが、テレポーテーションしたのには、何か意味があるのかもしれない。半年前に、真子に伝えた、ツインレイと言う言葉を付け加えた。そして、振り向くと。もう、そのもうひとりの私の存在は消えていた。帰った様だ。

時計を見ると、16時を過ぎようとしている。「真子ちゃん、これから、どうする。もしも、現代に戻れなかったら」真子は涙が溢れ出している様だった。そして、再び。渋谷に戻り、よく、飲んだ。ウイスキーホワイトをキープした。居酒屋風な飲み屋に行く。おつまみのじゃがバターが、怖さ、寂しさを、そして、アルコールがかき消した。真子は少し、お酒のせいで赤くなっている。そして、真子は聞いた。統合失調症に襲われて、どんな行動をしたの。私は無言で、明日、その場所へ連れて行くよとだけ言った。私は、もう一度、会社へ戻り、もうひとりの自分と入れ替わろうかと思考をよぎる。でも、もしかしたら、それは、歴史を変えることかもしれない。昔見た。映画。戦国自衛隊。結果は歴史を変える事は出来なかった。真子は、必要以上に、何があったのと聞いてくるが、私は、話をする事はなかった。