予感

2019年も終わりを迎えようとしている。ご無沙汰していた。デイケアにも行き出した。ニュースでは、中国で?ウイルスが発生したらしい。デイケア室の部屋でひとりくつろいでいると、窓の外から、大きな声で電話している。職員の声が響き渡ってきた。その言葉に見覚えのある声が飛んできた。真子が働きに行くという内容である。デイケア室に戻ると、塚本が眞子さんに、大きな声で、「その話しないで下さい」と注意されてる。何事かと思ったら、塚本が、真子がバイトに行った事を知り、尋ねていたらしい。私は。塚本の情報は遅れてるなあと思った。先程の職員の電話の内容は、作業所に行く段取りをしてた。
2020年1月を迎え、真子は、作業所へ週に三日通い出した。でも、LINEは既読スルー。デイケアに真子がやって来た日に、LINEについて、尋ね事はなかった。それに、?ウイルスが世界に広まって来た。日本でも徐々に増えている。私は、いつの日か、デイケアに通院するのをやめた。しかし、既読スルーではあるが、毎日、LINEにメッセージを呟いている。3ヶ月が過ぎた。
2020年4月21日。私は、毎朝。新聞配達をしている。この日、配達を始めて、15分程して、精神病院の坂に差し掛かると、頂上に横から不自然に、一台のバイクが目の前に現れた。
「ミー」乗っているのは、ミーだ。頂上に辿り着いた瞬間。そのミーとバイクの姿が消えた。先は、行き止まりで、崖になっている。私は、この光景を気に留める事はなく。配達を終えると家に帰り着き、仮眠をした。

お昼になり、本屋でタイトルを目で追っていると、潜在意識と言う本に目が入った。付録として、瞑想のCDが付いている。家に帰り早速試してみた。すると、思考に。年齢差と言うキーワードが閃く。その検索項目から。スピリチュアルと言う語句に辿り着く、さらに。検索を続けると、魂=ツインレイと言う語句に辿り着いた。ツインレイと言う言葉は初めて聞いた。調べてみると、意識体の中から、男性性と女性性に分離して生まれ。別々の肉体として輪廻転生を繰り返して、2020年。地球の大異変が始まる時期に、地球上でふたつの魂は出逢うらしい。その年の、?ウイルスを予言していた。

私は、真子のLINEにツインレイと言う言葉を知ってるか尋ねてみた。返信はなかったが、さらにスマホを見ていると。既読スルーには意味があると言う。タイトルにぶち当たる。それにしても。何かに、導かれてるかでもある様に、誘導されてる感じがする。夕方になり。身体の、足腰の部分が重く感じる。気晴らしに。街中をドライブする。帰ってくると、下半身に衝動を覚える。そして、足腰が軽くなったと感じたのも束の間、私は快感に長時間溺れていた。次の日。居間でテレビを見ていた。その一瞬の出来事により、思考が統合失調症に襲われ始めていた。テレビを見ていると、画面の中の芸能人の視線に神経が集中した。この光景は、40年前に、統合失調症に襲われてた時に感じた感覚と似ている。何か、目が。訴えてる様に感じてしまう。この出来事から、思考は閃きを繰り返して、とうとう、この世界には見えない世界が存在するのだと言う確信に至る。この一週間の出来事は、真子のLINEには。最近、寝れないと言う事だけ伝えておいた。そして。スピリチュアルの記事を求める様に、手当たり次第、知識として取り入れ始めた。と同時に。不思議な出来事が起こる様になる。まるで、見えない世界が存在を訴えてるように。
固定電話のベルが鳴り響く。画面を見ると。自分のスマホから掛かっている。しかし、私のスマホは、こたつの上に置いてある。誰も触っていないのだ。かと思うと、大きな蜘蛛が現れて、30秒間、じっと私と睨めっこしている。テレビを付けると、妖精と題した、アニメが放映されている。

そこに登場しているのは、アンドロメダ星人。
アンドロメダ星人の最大の特徴は、自由を愛することです。他人に強制されたり束縛されたりすることをとても嫌い、常に自由でいたいと感じる人が多いようです。
現在、様々な星の魂が地球に転生してきていると言われています。どの星からきた魂も、転生の時に記憶を消してきているために、使命を忘れてしまい生活をしています。その記憶は次元上昇と共に蘇るとも言われています。現代は時代の転換期でもあり、
スターシードたちはその時を迎えているのかもしれません。アンドロメダ銀河(M31)は、貴方たちが住む太陽系が属する天の川銀河からおよそ250万光年離れた最も近い銀河です。  我々はテレパシーを使うので、恋愛もとてもシンプルで瞬間的に意思疎通ができ、一瞬で終わります。 そういうことも自動的に行われるので、意識すらしていません。  アンドロメダ銀河では、やりたいことは何でもできます。 教育も素晴らしく、アンドロメダ銀河に住む者は、全員がこの最高の教育を受けることができます。  全員が、地球でいう博士号を取れるほどの高等教育です。  しかも、地球のようなお金を支払うということはありません。  お金という物は存在していません。  覚醒」すると決意されると愛と光の世界へ移行します。そのまま「覚醒しない」と決めると闇の世界へ移行します。ただそれだけです。 決めるのは各人です。  

6月1日。
私は。久しぶりにデイケアに顔を出した。真子も来ていた。でも、なかなか。声を掛けれない。が、隙を見て話し掛けた。
「俺。なんかおかしいですよね」真子は無言だったが、目元が赤く。充血していた様に感じた」そして。次の日から、既読スルー状態から、LINEに既読が付かなくなる。そして、真子は、デイケアを卒業していった。

半年後〜再会

私はいつも通りに昼ご飯を頂き。500メートル先にある。喫煙所に歩いていると。前方を三人の同僚の女性が歩いている。彼女達も煙草を吸うんだ。彼女達とはあまり会話した事はなかった。喫煙所で何故か。話題が真子さんの事になった。私は真子さんについて。色々知る様になる。自分でも、理解できない。彼女を好きなのだろうか、なにか、普通の恋のパターンからは。ずれている。せっかくのLINEだ。電話したり。食事に誘えば、OKしてくれるはずだ。何故、遠回りをしている。

1週間前から頻繁に彼女が登場する様になった。その夢は正夢を誘発した。
自動販売機に私の大好きなバナナミルクのペットボトルが入荷している。たぶん。私が好きだから、きっとその内になくなる。恋もそう好きになると彼女はいつの間にか目の前から姿を消す。なくならない内に飲もうと販売機に500円玉を入れた。お釣りの音が一度しかしない、おかしいチャラチャラと音を立てるのに。私はしゃがんだ姿勢で、お釣りの窓口から指を入れると感触が硬貨一枚しかない。取り出してみると、五百円玉だ。私の心は躍動感いっぱいになった。一口飲んで、一気に飲むにはもったいない、ラッキーなボトルだから、作業所に戻る。すると。駐車場の愛車の前に彼女の車が止まっている。突然。身体がかっーと熱くなり、下半身の力が抜けた。彼女が外来の窓口にやって来ている。頭の中が、真っ白になった。
そして、目の前の景色が水色の空気に包まれ、襲いかかる様にその姿を膨張させて迫ってきたのは、彼女の愛車から放された正体はボンネットのプリズム。自分の愛車のドアを急いで開けて座席に座りエンジンをかけて急発進した。私の心の動揺が光のスピードを超える様な速さで身体中を突き抜ける。気がついたら、近くの公園に来ている。駐車場は?の影響で閉鎖。車を止めてスマホのボタンを押して精神科の窓口に電話をする。思考回路はパニック状態。彼女の友達を呼び出してもらうが、いないらしい。心臓の鼓動が今にも爆発する。感情は統合失調症に襲われたのだろうか。私はアクセルを吹かして、車を急発進。再び外来の駐車場に向かって走り出す。精神年齢28歳。彼女は、真子、精神年齢21歳
?FMラジオからは、ハジの恋の夢が流れてきた。「声がして、見上げたら彼がいたの」思考回路はさらに光のスピードを上げてくる。脳内コンピューターの神経細胞がはち切れる。このままじゃ。気がついたら、脳梗塞で倒れて記憶を失う。そして、この恋とさよならをする。さらに宇宙の彼方に引っ張られるかと思った。瞬間にハンドルを左に切ろうとした手を、戻して右に切った。感情は、宇宙のビックバンに向けて、急速に膨張から縮小に光のスピードがダウンしてくる。私の脳内コンピューターは、命を繋いだ、そして、記憶を真子との思い出が走馬灯の様に浮かんでくる。
駐車場に着いた。真子ちゃんはまだいる。昼でも肌寒いのにうっすらと汗が滲んできた。外来の入り口で自動ドアが壊れるぐらいの閉まるスピードよりも速く、抜けた。視界には座席に座ってる真子ちゃんの姿はない。僕は看護師さんを呼んだ。今の状態を少し興奮して伝える。
「統合失調症が襲ってきている」これは。現実ではない。非現実なんだ。真子ちゃんの車も姿も僕だけに見えている。幻想の世界なんだ。その時。前をすらっとして、何処かでみた様な女性が通り抜けた。髪を切っていたその彼女が真子ちゃんだと気が付かない。でも、眼鏡。あの時の写真に写っていた。AKB48の小嶋陽菜。真子ちゃんを意識していなかった頃に、何故か、雰囲気が真子ちゃんに似ていたので、大事にスマホの待受画面に保存していた。壁紙は真子ちゃんに見つかって、しまい、思わぬ言葉を告げた。
「真子ちゃんに似ていると思った」真子ちゃんに、LINEに送ってと言われて、翌日送った。僕と真子ちゃんとの繋がりは、この写真。この日は、私が真子ちゃんへの恋の炎が、メラメラと燃え出した予感を感じていたとは、潜在意識も知らなかった。
「看護士さん今の女性は真子ちゃん」看護士さんはそうよと言った。初めて、AKB48のライブDVDの最後の曲。小嶋陽菜と篠原麻里子がふたりで歌った。となりのバナナの篠原麻里子の髪型に似ていた。この時にふたりのファンになった。その時に脳裏に浮かんだのは、「篠原麻里子は、いきなりプローポーズされて、結婚したと」肉食系だね。真子ちゃんが、そばにいるだけで、ずっと手を握りたいだけ。
私は横目で真子ちゃんの顔を覗いた。椅子に座って、キョトンとしている。何食わぬ顔でいるのに。私が一年間にライン交換で呟いた、お話を知っているんだ。真子ちゃんは私の事をいっぱい知っているなんて、信じられない。あの何食わぬ横顔からは想像する事ができない。真子ちゃんの声が聞こえてきた。その声はデイケアでいつも、はしゃいでいた、音色の声質とキャラクターだ。私は真子ちゃんの歌う。西野カナのトリセツが好きだ。西野カナが歌ってるのかと耳に響いてきたんだ。西野カナといきものがたりを混ぜた様な声の質。いつの間にか、カラオケでトリセツが歌える様になった。
真子ちゃんが、外来での受付を済ませて、私の前を駆け足で去っていく。声をかけられなかった。今、考えると、その先は?の影響で通行禁止になっている。真子ちゃんは立ち止まっていたかもしれない。私は、彼女を捕まえられなかったけども、まだ、赤い糸が繋がっていたとはまだ。気が付かなかった。
翌日。
LINEのトーク画面に、真子ちゃんからのメッセージが飛び込んできた。
「いつも返さないけど、返事書くので(LINE)返してます。話聞くのに、ご飯食べに行ってもいいけど、1人じゃ」
次の日
「昨日は。バトミントンに行ってたから、返信できませんでした。ごめんなさい」
「いっぱいお話ししましょう」
このメールにグッときた。私は一杯呟いたお礼にティファニーをプレゼントしようと思ったが、真子はこんな高いものいらないですよと言ってくれた。まるで私のお財布の中身を知っていた様だった。
翌日僕は、真子を誘った。
運動公園を散歩しませんか。