タイムスリップした二人

目次

1 妖精

突然。窓ガラスがゴトゴトと音を立てて振動する。時計を見ると深夜の2時である。窓から強い光が差し込んでくる。この時間に変だ。まだ、夢見ているのかと疑いつつ窓を開けた。飛び込んできたのは大きなホウキにまたがっている妖精らしき感じがする。

2 LINE交換

ミーの住んでいる。アンドロメダの文明は地球より千年は進んでいる。私は飛び出した瞬間の脳波が7.8hzに同調していた。2019年3月29日
こんにちは✨ 龍太郎さん、体調大丈夫ですか❔寿司屋は、龍太郎さんが元気な時にいつでも行けるから、また行きましょうね(peace sign)(joyful)
楽しみにしてます(wink)(thumbs up)

3 予感

2019年も終わりを迎えようとしている。ご無沙汰していた。デイケアにも行き出した。ニュースでは、中国で?ウイルスが発生したらしい。デイケア室の部屋でひとりくつろいでいると、窓の外から、大きな声で電話している。職員の声が響き渡ってきた。その言葉に見覚えのある声が飛んできた。真子が働きに行くという内容である。次の日から、既読スルー状態から、LINEに既読が付かなくなる。そして、真子は、デイケアを卒業していった。

4 半年後〜再会

次の日から、既読スルー状態から、LINEに既読が付かなくなる。そして、真子は、デイケアを卒業していった。まるで私のお財布の中身を知っていた様だった。
翌日僕は、真子を誘った。
運動公園を散歩しませんか。

5 テレポーテーション

朝からソワソワしている。それもそうだ、今日は、運動公園で真子と待ち合わせをしている。頭をよぎるのは、妖精の姿だ。あの日以来、思考に浮かぶ事はない、あの過去の数日間は、夢を見ていたのであろうか。私の記憶は更に蘇る。あの時、康子が囁いた言葉。私は、この出来事から、二度と、康子と顔を合わせなくなった。それは、ましてや、考えもつかない、出来事へと発展した。でも、今は、あの時の今ではない。令和に出逢った世界の、真子と私が存在する。

6 記憶

私の記憶は更に蘇る。あの時、康子が囁いた言葉。私は、この出来事から、二度と、康子と顔を合わせなくなった。それは、ましてや、考えもつかない、出来事へと発展した。でも、今は、あの時の今ではない。令和に出逢った世界の、真子と私が存在する。とにかく、私は、会社に行ってみる事にした。40年前の、この日の記憶は。悪夢に出会った当直の日だ。

7 悪夢の再現

私は、各ビルの鍵の斡旋を確認して就寝の為に社長室にて、布団を敷いた。そして。スマホを取り出した。この世界でスマホが何故使えるのか、理由はわからない。試しに、電話をするが、電話は繋がらない。LINEを開くと、メッセージが来てる。真子からだ。

8 昭和の東京

私は、タクシーを拾い真子のいるホテルへと向かった。もう、山手線は動いていない。私はホテルのドアをノックした。真子はまだ起きていた。ドアを開けると、真子は、今までの恐怖を追い去るように、私に抱きついてきた。私は、真子をかかへて、ベッドへと
連れて行く。真子には、今日の出来事を話した。すると。真子が質問してきた。
「妖精ミーって私なの」

9 最後の夜

「真子ちゃん、もう夜も遅いし、ラブホテルに泊まろうか」真子は、えっと、首を傾げたが、うなづいた。私は、この時代に生きていたが、ラブホテルに泊まるのは初めてだ。渋谷のラブホテル街、道玄坂裏から神泉にかけての円山町界隈が浮かぶだろうが、あの当時は公園通りの裏方あたりにも散在していた。渋谷の方から坂を上っていって、パルコの先の交差点の右奥。ちょうどこの頃、「スウェンセンズ」というゴージャスな感じのアイスクリームを出す店の横の坂道を上っていったあたりにラブホテルが何軒も並んでいた。

10  再現

40年前のこの日。私は会社を休んでいる。アパートの部屋で被害妄想の真っ最中だった。部屋を出たのは、夕方だ。真子は何をやるのとしつこく聞いてくるが、私は、今晩のお楽しみとだけ伝えた。真子は、ぷっと膨れた顔をしている。夕方まではまだ、時間はある。予想通りに、部屋を出るのは、何故か、記憶している。夕方丁度、17時だ。その部屋を出る瞬間に、身体がすり替わればいいが。私は、真子に、あの瞬間を、見てもらおうと思っている。康子と真子

11  タイムスリップ

2020年6月
織田俊平29歳は。目の前に座っている荻野涼子26歳の顔を見るなり、思わず口を開いた。
織田俊平29歳「AKB48の指原莉乃って感じですね」
荻野涼子26歳「冗談でしょ。その口髭。昔を語っていますね。彼女にふられて髭を生やし始めたとか、そんな雰囲気します」
織田「いやいや。まいったなあ。当たりです、プライベートで図星です」
荻野「私は、テレビでキャスターやってます。宜しく」

12  休養します

翌日のスポーツ新聞の見出しは。アイドルグループアフタヌーンのボーカル、えり、救急車で運ばれて入院。真子は。病院のベットから目が覚めた。部屋には誰もいない。個室のようだ。ベッドの横には。アフタヌーン、えりと書いてある。見舞いの花束が参列して置いてある。真子は、これが、二度目のタイムスリップ、意識は慌てない落ち着いている。今度は、龍太郎さんのいる気配がない。その時。何か、身体に動揺が起こった。

13  スクープニュース

もう何度、着信が鳴っただろうか。私はついにスマホを手に取った。涼子は、旅行の出来事を語り出した。私は。この女性は、とっても彼の事が好きなのかと推測した。私は。涼子に。これから、会おうと伝えた。私は、この出来事を。この涼子と言う女性に伝えようと思った。何か。彼女なら理解してくれそうな気がした。私は、真子にも電話して、伝えた。真子は、まさかの私の行動に動揺したが、信頼してくれた。私と涼子は挨拶した。涼子は。少し変な気がして聞いてきた。私は、大事な話があると。周りに空席がある席を選んだ。

14  異常事態

私は、この男の会社に電話して、暫く休みを取った。スマホを切ると、涼子さんから着信があり電話に出ると、心配してくれた。
「お金は持ってるの」私は。ないと返事をすると、私が。恵んであげると言って、今からやって来ると言う。テレビのスイッチを入れると、画面に現れたのは、私と真子が。運動公園に重なって倒れていた。救急車で運ばれたが、意識不明の重体。ニュースには、デイケアの同僚の、浩美さんとゆかりさんが出ている。とにかく、何故か、スマホが、真子と涼子意外には通信が繋がらない。ミーから入ってきた、LINEも、音信不通状態。それに、スマホの画面が、現代なのに、見慣れない、アプリの画面に、日本語でも英語でもない、見たことのない。

15  帰還

この現象は、私と真子にだけ起こっている。精神医学では、説明がつくのだろうか。最初のテレポーテーションは、過去へのタイムスリップ。今度は現実の世界での意識のテレポーテーションが起こった。真子の病室へ行くわけにはいかない。真子は人気絶頂のアイドルだ。とにかく、真子とのLINEは、繋がる。真子の病室へ主治医が入ってきた。