『風葵はお人形さんみたいだねぇ』
両親から、よくそう言われた。
その理由は多分、目立つ銀髪と赤瞳。
人形っぽいといえばその通りである。
おそらくその色を人形みたいと言ってたんだろうと思うんだけど・・・。
なら私は人形らしく、と笑わなくなった。
人形は笑わない。
命も心もないんだし。
そんな私を家族は心配してたけど、なにか言ってくるコトはなかった。
でも心を閉ざしているわけじゃないし、人間が嫌いとかもない。
ただただ、笑えないだけ。
クラスの子と話すのも、勉強会をするのも、行事で一緒に行動するのも、全部苦痛ではなかった。
クラティアンのみんなのお陰かもしれないけど、私は結構友好関係が広かった。
それなりに人脈もあるし、困ったことはない。
笑えない私を受け入れてくれた子たちには感謝してるし、仲良くしてくれてると思う。
だから、今の私を変えようとは思ったコトなかった・・・。