しかし、それは、都心で気取ったデートをするより素敵なことのように感じられる。

「あっ!だけど、初めてご家族に会うなら、この髪とか服とか…。ちょっとマズイかな?」

そう言うと、森川は笑いながら、

「大丈夫です。先輩の写真なら既に、ビフォーアフター両方、家族に公開したんですけどね。母なんか、先輩のことを若い頃のシンディ・ローパーみたいで凄く可愛いって大絶賛してましたから」

内心、最大の不安要素だった未来のお姑さんがそう言ってくれたのか…。

そんな風に、幸せな未来を描き、語り合っていると、紙吹雪のような雪が舞い始めた。



FINE