何しろ、記念日だけでなく、森川の誕生日祝いでもあるので、

「森川、誕生日に何か欲しいもののリクエストある?」

男心というものがよくわからないので、本人にハッキリと何が欲しいか聞いたほうが手っ取り早いと思った。

「先輩が僕のために選んでくれるなら、何だって嬉しいですよ」

そうは言ってくれるけれど、何しろ私は周りから見るとあまり趣味が良くないらしい。

真っ赤に染めた髪、大きな髑髏マークの服、タトゥー風シールは、万人受けするファッションとは言えないだろう。

「私、プレゼント選びって得意じゃないし、森川の欲しいものを用意したほうがお互いにいいじゃない?あんまり高価なものは無理だけどね」

「じゃあ…お金はかからないけど、ダイヤよりも高価なものをリクエストしていいですか?」

「何それ?ハッキリ言いなさいよ」

「そうですか?じゃあハッキリ言いますよ。先輩を下さい」