「あの頃、難攻不落に賭けてた人ー?」

向かい側の先輩が尋ねると、半数ほどが、はーい!と挙手する。

「確かに、卒業の段階でも落ちそうな気配はなかったよね。で?結局、どうなったわけ?」

隣の子が興味津々に聞いてきて、森川と顔を見合せ、戸惑っていたところ、

「付き合ってますよ」

サラリと、しかし、キッパリと森川が言った。

「マジで!?森川、よかったじゃーん!」

「ぶっちゃけ、リカって男には興味ない人かと思ってたから、まさか森川とくっつくとは…」

「いやー私は、落ちるほうに賭けてたけどね」

皆に好き勝手言われ、ポカンとしつつも、ふと気づいた。

私…また皆と再会することに、あんなに怯えていたのに、いつの間にあの頃のようにリラックスしている…。

席は離れていたが、エリコとミドリも、こちらを見て可笑しそうに笑っていた。