***

「……ら、愛花?」


「うーん、だいすき……」


「なに言ってるの? 俺もだよ。こんなところで寝てたら風邪ひくよ」


「……え、ここどこ?」


ふわぁと欠伸をしながら大好きな人に尋ねる。


「庭だよ、なんでこんなところに?」


「あっ、そうそう! あげる!」


私はふわりと微笑んで、みっくんに一本のバラを差し出した。


「ねぇ、この意味わかる?」


「あぁ、覚えてるよ」


「じゃあ、せーの!」


「「あなたしかいない」」


心の声は結婚したからもう聞こえない。

けど、みっくんはとても幸せそうな微笑みを浮かべてくれたから、それだけですべて伝わってきた。

もう私たちの間に、声は必要ない。