「ここ、貸し切ってくれたんだよね……?」


「あぁ、まぁね。父親に言ったらここをおすすめされたから」


相変わらず淡々とした声で事実だけを告げていくみっくん。


『というのは冗談で、俺が親父に直談判して一日だけ貸し切ってもらったんだけど』

「えっ!?」

「さっきからなんなの?」

「ご、ごめんなさい……」


どういうこと?

みっくんはなにもしゃべってないのに、なんでみっくんの声が頭に響くの?

まるで、みっくんの考えていることが直接頭の中に入ってきているみたいな……。

心の声……、そのとき、『運命の相手の心の声が聞こえるんだよ』って、おばあちゃんの温かい声が聞こえた。

『私がおじいちゃんの心の声を聞けるようになったのは二十歳になって、ふたりっきりになったときだったなぁ。そしておじいちゃんと結婚したら、勝手に聞こえなくなったのよ』


突然思い出した懐かしい記憶。それって今の私じゃない!?