……けれど、こんな関係はもう終わり。

いい加減、みっくんのことを解放してあげなきゃ。

私はずっと前からそう思っていたけど、なかなか踏ん切りがつかなくて。

でも、二十歳になった今日、私は大好きな初恋相手でもあるみっくんに別れを告げる。みっくんの幸せのために。


「みっくん、とっても綺麗な景色だね!」


キラキラと輝く夜景を見ながら話しかけると、みっくんも小さな声でうなずいた。

そのとき、──『愛花のほうが何百倍も綺麗だけどね』なんて声が聞こえてきて。私は思わずみっくんを凝視した。


「なに?」

「いや、空耳かな……」


いつも通りのみっくんは、私に訝しげな顔をしつつも夜景に視線を戻した。