純白のチュールがふんわりと膨らんだスカート、
きめ細やかな刺繍を施されたマリアベール、
頭上に飾られたキラキラと輝くティアラ。

けれどそんな物は、花嫁のとびっきりの笑顔には到底敵わなかった。

『世界中で私がいちばん幸せ』というような表情をした彼女に、花婿はブーケを手渡した。

一本のバラとサクラソウのブーケを。


『ねぇ、この意味わかる?』

──彼女は、大きく瞳を見開いた。