あっという間に着いた、誰もいない家。 鍵を開けて、ドアを開ける。 閉まっていくドアの隙間から一瞬だけ見えたのは、少し憎らしくなるほど清々しい、雲ひとつない空だった。 バタンと音を立ててドアが閉まる。 長いため息を吐いて、鍵を閉めて、にっこり笑う。 「ただいま」 明日はもうちょっと、楽しいことがありますように。