勉強は、地頭が良かったみたいであまり頑張らなくても上位をキープ出来るくらいに良かった。勉強に困ることはないので、そこは感謝してる。


「ねぇ、久利生さん」


クラスの自分の机で次の授業の準備をしていると珍しく話しかけられた。
顔を上げると、私とは見た目が真逆なクラスメイトが立っていた。サラサラとした少し茶色がかった長い髪は結われていなくて背中に流している。化粧もバッチリできっと、こんな子が男受けが良くてかわいいって言うんだろうなって思う。


「?なに?」

「ちょっと、お願いがあってさ、今日の日直変わってくんない?」

「日直?」

「うん、お願い」


彼女と私は特別仲がいいわけではない。
だって、名前、知らないし。
大方、日直が面倒だから文句言わずにしそうな私に言いにきたんだろうな。
ニコッと笑顔ででも断るなって言う圧を感じる。


「ーーーいいよ」

「ありがと!」


スキップでもしそうなくらいに軽い足取りで友だちのとこに戻っていく。


「どうだった?」

「もちろん、変わってくれた」

「よかったねー」

「ふふっ日直なんてああいう地味な子がしてればいいんだって」

「今日の合コン、礼華も参加って連絡しとく!」

「はー楽しみっ。嘉治校ってめっちゃレベル高いって聞いたんだけど!」

「礼華のお眼鏡に叶うかは分かんないけどね」

「礼華理想高いもんねー」


ケラケラ笑いながら盛り上がってる。
うーん、そう言うことって、私が聞いていないとこで言えばいいのに。。。別にどうでもいいけど。
私には、関係のない人たちだ。





1日が終わって、教室はあっという間に人がいなくなった。1人になって、私は日誌を書き上げる。
日誌なんて1日の授業書いてなんか適当に書いて出すだけなのに。
低度の人には難しいのかな。
ものの数分で書き終えて荷物を持って職員室に行く。担任の姿はなかったので、机に置いてから学校を出た。部活をしている人たちの声を聴きながら、さっさと家を目指す。