ラフェシア様の言葉に、私はゆっくりとため息をついた。
 私の推測は、当たっていたということになるのだろうか。正直、まったく嬉しくはない。むしろ、頭が痛くなってくる。

「あなたの推測は、間違っていなかったみたいね……」
「ええ……ただ、昨日ずっと考えていたのですけれど、今回の首謀者はアヴェルド殿下とは限らないのかもしれません」
「それは、どういうこと?」
「オーバル子爵の可能性もあると思うんです」

 私は二人に、考えていたことを話してみることにした。
 アヴェルド殿下のことを考えて、私は改めて思ったのだ。彼に暗殺などという大それたことが、本当にできるのかと。
 あの中途半端な小心者に、それができるとはあまり思えない。それなら、アヴェルド殿下と同じく、二家を邪魔に思うであろうオーバル子爵の方が、可能性が高いと思ったのだ。