「それで暗殺ですか……あり得ない話ではないように私も思います」

 二人とも、私の推測を支持してくれてはいるようだった。
 もっとも、それは今その推測を否定できる材料がないからだろう。それを確かめるための方法が、実の所ある。

「もしもアヴェルド殿下が今回の首謀者であるならば、ラウヴァット男爵やネメルナ嬢と同じ立場であるモルダン男爵やシャルメラ嬢も暗殺の対象になると思います」
「なるほど、それを確かめるためにあなたは、モルダン男爵家に関する情報を使用人達に探らせているのね?」
「ええ、そちらでも何かが起きていたら、私の推測は確実なものになると思うんです」
「まあ、仮に違ったとしても、メルーナはここに留まらせるべきでしょうね。しばらくは様子を見ておきたい所だわ」

 ラフェシア様は、不安そうにため息をついていた。