その使用人は、焦ったような顔をしている。どうやら何かが起こったようだ。一応まだお茶会が続いている私達の元に来るということは、そういうことだろう。

「ラフェシア様、それにお嬢様方、御歓談中に申し訳ありません」

 やって来たメイドは、私達に対して深く頭を下げた。
 しかしそれは、必要がない謝罪である。この状況で話しかける時点で、それが仕方ないことだということは、明かだからだ。

「何かがあったのかしら?」
「それが、その……」

 メイドは、メルーナ嬢の方を見ていた。
 彼女は、言葉を詰まらせている。よくわからないが、何かメルーナ嬢に関することということだろうか。
 しかもそれが言いにくいこととなると、色々と考えてしまう。もしかして、王家の方で何か動きなどがあったのだろうか。