それは優しい口調ながらも、鋭い言葉だ。友人に対して、中々に容赦がない。
 ただ、ここで誤魔化されたら結局問題は解決しないだろう。だからこそラフェシア様は、情けを捨てているのかもしれない。

「……ラフェシア様は何かを知っていらっしゃるのですね」
「……ええ」
「そうですよね。おかしいと思ったんです。この場に彼女……リルティア様がいるなんて。他は共通の友人なのに」
「話してくれる気に、なったということかしら?」
「はい、お話します。私が知る全てを……」

 メルーナ嬢は、ゆっくりと椅子に腰かけた。
 その動きからは、あまり力が感じられない。なんというか、憔悴しているようだ。
 しかしそれはどちらかというと、肩の力が抜けたということなのかもしれない。彼女の表情には、確かな安堵があるからだ。

「しかし、何から話せばいいものか……」