「あれ? 他の皆さんはどこに行かれたのですか?」
「メルーナ、そこに座ってもらえるかしら? 実はね、あなたと話したいことがあるの」
「話したいこと、ですか?」

 少し席を外していたメルーナ嬢は、庭に私とラフェシア様しかいないことに驚いているようだった。
 そんな彼女の視線は、主に私に向いている。それはお茶会の間もそうだった。どうやらメルーナ嬢は、私の存在が気になっているらしい。

「最近、あなたは元気がないみたいだから、少し心配でね。何か話したいことなどがあるのではないかしら?」
「……いいえ、別に元気がない訳ではありません」
「リルティアのことが、気になっているようね? お茶会の最中、何度か視線が向いていたわよ?」
「それは……」

 ラフェシア様は、メルーナ嬢に対して次々と言葉を述べていた。