色々なことを知った私は、一度エリトン侯爵家に戻ることになった。
 お父様に全てを話した後、私はお兄様とその婚約者であるラフェシア様とお茶をしていた。偶然、ラフェシア様が屋敷を訪ねて来ていたため、色々と話すことになったのだ。

「どうやら大変なことになっているみたいね?」
「……お兄様、ラフェシア様に話したのですか?」
「……すまない。彼女隠し事なんてできなかったんだ」

 ラフェシア様は、私に関する事情について色々と知っているようだった。
 そのことでお兄様は頭を下げているが、別にそのような必要はない。今回の件は、次期エリトン侯爵夫人となるラフェシア様にとっても無関係という訳ではないからだ。
 ただお兄様の口振りからして、ラフェシア様に見抜かれたということなのだろう。それには妹として、苦笑いを浮かべてしまっている。二人の力関係は、なんというか明白であるようだ。