私は、国王様の前に跪いていた。
 今回の謁見は、私から申し出たことである。それは非常に、恐れ多いことだ。
 快く受け入れてもらえて、本当に良かったとは思っている。国王様の寛大な心には、感謝しなければならないだろう。

 そんな国王様に対して、さらに恐れ多いことを言わなければならないというのは、かなり気が引けることではある。
 しかし、ここはなんとしても乗り切らなければならない場面だ。私はゆっくりと深呼吸した後、国王様の方を見る。

「リルティア嬢、今回は話したいことがあるらしいが、一体どうしたというのだ」
「国王様、実はアヴェルド殿下のことで少し話したいことがあるのです」
「アヴェルドのことか。ふむ、奴が何かしたのか?」

 国王様は、少しおどけた様子だった。
 恐らく、そんなに重たい相談とは思われていないのだろう。非常に軽い様子だ。