段々とそれが面倒になってきたので、これで受け入れられなかったら、もうこの作戦は諦めることにしよう。
 そう思っていた私は、目の前のネメルナ嬢が笑っていることに気付いた。それは少々邪悪な笑みではあるが、喜んでいるように見える。

「どうやら私は、リルティア嬢のことを勘違いしていたようですね……」
「……わかっていただけましたか?」
「ええ、リルティア嬢がそう思っているというなら、遠慮なくアヴェルド殿下と結ばれたいと思います」

 ネメルナ嬢の言葉に、私は安心した。
 これでとりあえず、私の任務は完了したといえる。後は来たる日に備えて、ゆっくりと休息を取ることにしよう。